有職故実（ゆうそくこじつ）を深く研究されておられます綺陽装束研究所主宰の八條忠基先生の監修のもと、平凡社別冊太陽にて「有職故実の世界」が発刊されました。

有職故実とは平安時代からの朝廷での儀式に関する知識から公家社会の生活においての約束事をまとめたものです。

今回は特に「現代に生きる有職故実」ということで、今日にも有職故実の知識のもとで関わっている職人を集められています。「衣・食」においては有職装束の西陣の織り元から仕立てへ。また冠や装束に関わる組紐（くみひも）の職人や有職料理を、「住まう」の道具として私の有職畳を紹介して頂きました。それ以外にも「遊・祈」においては有職彩色、有職造花、雅楽演奏などの職人や奏者さんが紹介されています。

この本は、私にとっても随所に学ぶところが多く、平安時代の雅の世界を味わうことが出来ます。平安時代から続く京都の職人さんのなかに、私の様な田舎の職人を取り上げて戴いたことで、今まで以上の緊張感と継承への責任を感じています。