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2021.10.11 

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【たたみの話】お釈迦様の敷物


「草座そうざ」



古来、釈尊が菩提樹の下で悟りを開いたときに吉祥草(きっしょうそう)を敷いたとの故実によるもので、現在でもかたちは変容したものの、寺院の行事の中で最高の位の僧侶が使用される座具のひとつとされています。





表面は縦1尺3寸、横6寸6分の畳ござを二枚並べて置き、綿は入れてないものの金襴を使って四方の額の形をつくり、左右に長く糸を垂らしたものです。この垂らした糸は草を表現しているとのことです。


また、この草座は二つに折り畳むことが出来るように造られています。その為に表面をつけた畳ござ以外に、中央部分はござ2枚分、底面部分はござ3枚分、合計、同じ大きさのござを巧みに6段に重ねて構成されています。




約1年半前に奈良の古い寺院よりこの「草座」の問い合わせを頂きましたが、名前は知っていたものの、現物を見ることが無かったので、高野山の金剛峰寺にお願いをして見せて戴きました。それを初めて見て、造る手順を勉強させて頂いたということです。実のところ、写真に撮って帰宅してから「???」と多くの疑問がでましたが、悩みに悩んでその時点で、どうにかかたちには成っておりました。しかし、気になる部分が箇所にあり、すべて修正をして今回に至りました。尚、今回の布等の素材は、本来の仏具としての物ではないのでご了解願います。


この草座の使用方法に二種あり、礼盤(二畳台)の上に敷かれて、その上に導師が座る場合と、この上に経典などを置く場合とがあるようです。






本来、釈迦が使用した吉祥草を進化させた形のものなので仏教では当然、関係深いものであろうと思いますが、現在では真言密教など一部の宗派のみが年間の行事で使用されているようです。現実には仏具のようですが、これも畳表を使用していることから、畳職人の仕事であると思います。

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