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2020.09.08 

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【たたみの話】 草の上での生活 日本人

古代においては、地球上の全ての民族が地面に直接座って生活をしていたのでしょうが、それぞれの地域の気候や気温などの違いに応じて、より快適な方法を考えて生活してきました。西洋では寒さと乾燥から身体を守るために高さのある椅子や台に座り、地面の冷え込みとの距離をおきました。それに対し、東洋(アジア)では地域の気候や生活習慣から、様々な敷き物を床に敷いて生活しています。例えば、西アジアでは羊などの毛を編んで地のある絨毯を作り、高温多雨な気候の東南アジアは葦や籐などの植物を編んでシート状のものをつくり、その上で清涼感のある生活をしました。


我が日本では、縄文時代の陸稲で栽培された米を獲ったあとの稲の茎(稲わら)を編み込んでシート状に作り敷物や覆うものとして、住居の中で使用されました。また、身分の高い人には、真菰(マコモ)を編んで芯材に使い、その上に香りと肌触りの良い藺草(いぐさ)を丁寧に機織りしたものをその上に重ねて敷いています。後日ブログにて紹介しますが、奈良正倉院に現在でも残る聖武天皇の御床(ごしょう)の畳がそれで、寝台のマットとして使われていました。


何れも日本人は稲作を中心とした農耕民族としての長い歴史と文化の中で、稲藁を束ねて配を重ね、それに藺草表を重ね合せて縁取りをして、実用性と装飾性を兼ね合わせている畳、これは日本人のみが造ることが出来た文化的所産といえるです。


また、畳は四季の変化に富んだ日本の気候風土の中で、厳しい冬の寒さに暖を作り出すかのように、あるいは厳しい夏の暑さに涼感を与えるように畳は人々の生活の場を守り、育てる役割を果たしてきました。そして、室内に畳を縦横に並べることによって生まれる平面的な線と線の凛とした美しさ、日の光によってつくり出される陰と陽のモノトーンの美しさ、これら日本人が本来好んできた特有の美しさであります。


諸外国にも誇る世界でも珍しい綺麗好きの日本人だからこそ考えついた知恵は、手近にあった真菰や稲わら、藺草などの「草」を家屋に持ち込み、屋外の埃や泥を持ち込ませないように履物を脱ぎ、その上で安らぎをとる生活を選択したのです。 私たちは毎日、柔らかく香り高い草原の上で生活をしているのです。


これより、【たたみの話】として、今日までの日本人の知恵の歴史を紹介します。どうぞ、引き続きご覧ください。




 

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