創業300年 伝統と信頼の老舗畳店

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2020.04.04 

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TTMクラブ研修会開催 神奈川

去る2月1日(土)~2日(日)の二日間にわたり、神奈川県横浜市上郷・森の家にて、TTMクラブの研修会が行われました。「TTMクラブ」とは、私が30年以上前に立ち上げた畳の勉強会で、毎年位2回全国各地で開催しております。メンバーは一定の経験を持った30代から50代の約60人。


今回の参加人数33名の大所帯。全国各地から集まったいつものメンバーに加わり、新人の参加者も沢山参加されました。今回の研修の実技のテーマは「二方縁 薄畳」ということで、仕様場所や目的に応じて同じように見える二方縁の上敷きにもそれぞれの仕立て方があることを学んでいただきました。


初日午後1時に集合し、直ちに「薄畳」のレクチャーを終了後、床の間のござに使用できる紋縁付の袷(あわせ)の上敷きを研修。昔風に裏地に縦にござを使い、鏡縁という工法で幅継をして、上面に畳表を被せるものです。夕刻になり、一定時間に切り上げ、続いて神社の宮司が礼拝で使用する「軾(ひざつき)」の準備。これは一枚の畳表の長さ半分に縁を縫い、余りの表を裏に回して二重(これを袷という)にし、仕上げるものです。6時30分まで準備作業をして、夕食と入浴になりました。


午後9時から、TTM恒例の夜学が始まりました。夜学の最初のテーマは昨年行われた、「天皇即位正殿の儀」での高御座の中で使用された畳の説明から。天皇の後方に置かれた椅子のクッションの部分に厚畳と茵があったこと。その足元には繧繝縁の厚畳2枚と龍鬢の土敷き(つちしき 地敷きとも呼ばれる)の説明。そしてその上に敷かれた絹で織られた 大和軟錦(やまとぜいきん)と東京錦(とうぎょうき)の毬代(たんだい)を研修しました。普段絶対に見ることが出来ないものです。
続いて昨年の11月に行われた「大嘗祭の畳」の研修です。今回の研修にはこの大嘗祭の畳を宮内庁から依頼された東京の小宮氏も参加されましたので、特に解り易かったです。大嘗祭の主基殿・悠紀殿の内陣に置かれた寝座の八重畳の説明や縁に使用された白地の絹や麻の布地を見せて戴きました。この寝座の八重畳こそ、現在の畳の原型となるものです。
続いての夜学のテーマは「茶室の畳」です。畳の敷き方や炉の切り方、家元の歴史や違いなど、即位・大嘗祭の内容含めて盛り沢山の約4時間の講義でした。殆どの人が床に就いたのが深夜2時頃でした。


明けて2日目。朝9時から昨日の「軾(ひざつき)」を仕上げています。昨日の床の間の上敷きとは縫い方も異なり、下紙も変えての試みでした。
最後に、今ではこれこそ幻となっている「畳表の本継ぎ」を研修。これは畳表の経糸で数本のイ草を掴み、経糸同志を結ぶ方法ではなく、裏も表も継ぎ目が全く見えない工法です。殆どの人が初めてでしたので、大層喜ばれました。必ずいつか役に立つことがあります。 正午前にすべて終了し、30分足らずで片付けを行い、昼食後解散となりました。


今回参加された方々には大変お疲れ様でした。また予てより準備をして頂きました神奈川県の方々にも御礼申し上げます。


さて、次回は愛知県の開催です。どうぞまた多くの参加者を期待しております。



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